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医歯薬総合研究所(生体情報解析部門)

部門紹介

生活習慣病の多くは生まれつきの体質と生活習慣の双方の影響を受けて発症に至ります。生まれつきの体質は設計図であるヒトゲノムの約30億文字の塩基配列(文字情報)によって決まります。よって、生まれつきの体質を理解するためには膨大な情報を取扱う必要があり、バイオインフォマティクスと呼ばれる情報解析技術が用いられます。当分野では、個々人のゲノム情報に基づいた個別化医療、個別化予防の実現のため、ゲノムオミックス研究を実施しています。コホート研究で集められた生活習慣や既往歴、血液検査や生理学的な検査の結果と、マイクロアレイや次世代シークエンサーなどのゲノム解析技術で得られた血液などの生体試料に含まれる生体情報を組み合わせ、スーパーコンピューターを利用しながら、疾患に関連する要因の特定などを行っています。

主な研究内容

当分野の指導教員である清水は2020年1月に医歯薬総合研究所生体情報解析部門の部門長に就任しました。前部門長の佐藤衛先生は在職中に循環器疾患のエピゲノム解析研究などを推進され、我々も引き続き循環器疾患を対象とした研究を進めています。また、東日本大震災からの復興を目的として平成24年度に本学に設置された、いわて東北メディカル?メガバンク機構の生体情報解析部門と密接に連携し、1)ゲノムオミックス解析、と2)疾患発症リスク予測モデル構築の2つのテーマを進めています。これまでにゲノム?エピゲノム?トランスクリプトームの3つのオミックス解析を統合した100人規模の3層オミックスデータベースの公開や、脳梗塞発症リスク予測法の開発(図)、国内複数の研究機関やコホートとの遺伝子環境相互作用などの共同研究を進めています。

当分野は情報解析が専門ではありますが、コンピューターに向き合うだけでなく、人と人とのつながりを大切にして、どのように予防医療を実現するかということを常に意識して研究を進めています。当講座の持つ情報解析技術を活かし、学内他科との連携も積極的に進めています。

学生へのメッセージ

個別化医療?個別化予防の実現のためには多種多様な情報を駆使してヒトを理解する視点が必要です。次世代型の医療に興味をもつ方をお待ちしています。